リア王

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大学時代以来の再読である。

一応対訳版を借りてみたのだが、とても英語で読み切れなかったので基本は日本語訳を読み、特に気になった箇所を英語版で確認するという方法でサラッと読むことにした。正直に言って辛うじて通読したと言っていいレベルで、細かいところは読んでいない部分もある。

リア王 (対訳・注解研究社シェイクスピア選集)

年老いた王が退位し、三人の娘に領土を分割すると宣言。その際に娘たちにいかに王を愛しているかを述べさせるが、愛を饒舌に語らない末娘のコーデリアに激昂し追い出し、異を唱えた忠臣ケントも追放し、上の娘二人の居城を転々とするが疎まれ荒野を彷徨うことになり――。

コーデリアを詰ったり、上の娘二人に疎まれ呪詛を吐き散らかすリア王の長台詞が見どころの一つなのだろうと思う。口のよく回ることだ。
英語で見ると王としての一人称weを使うところが面白い。(Royal we尊厳の複数と呼ばれるもの)

エドガーとエドマンドの物語がサブ要素的に展開される。エドマンドはわかりやすく悪役というか策略家。
善人っぽい人であろうと悪人っぽい人であろうとやたらめったら登場人物が死ぬので、エドガーも死ぬかなと思っていたらそんなことはなかった。というか再読なのにこの兄弟の顛末を覚えていなかったな……。

ハッピーエンドに改作しているというテイト版も気になるところ。

thou

thouという今では使われていない二人称があるので挙げておく。

主格 thou
所有格 thy
目的格 thee
所有代名詞 thine
再帰代名詞 thyself

dostはdoの二人称単数形thouの直説法現在の活用。

また、haveの三人称単数現在はhath、doはdothに活用される。現在ではそれぞれhas,doesとなる部分だ。(最近読んだ「ベヴァリー・クラブ」の原題「How Doth the Little Crocodile」もdothが使われている)

しかしこれも遺産相続の話か!特にそういうものを好んで読んだり見たりしているつもりはないのだが、何かと縁があるなあ。(最近触れた遺産相続の物語に関してはこの記事で語っている)

その他気になったところ

正直あまり読み込んでいないので気になった個所として挙げられるところは少ない。

3.4
43
Through the sharp hawthorn blow the winds. さんざしの茨の間を通って風が吹く。
マザーグースの本を読んでいたら、little blue boy の前半によく似たフレーズがあるとされていた箇所。Come blow your horn らっぱをふけよ のところだろうか?

44
Go to the bed and warm thee. 寝床に戻りて暖まれよ。
当時大当たりの舞台The Spanish Tragedy のパロディとされる。
この辺りを見ると、当時の知識がないとシェイクスピア作品を観たり読んだりするのはなかなか難しいのではないかと思わされる。

67
‘twas this flesh begot
Those pelican daughters.
訳註にペリカンは雛に血を吸わせて育てるという俗信とある。

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英語読書
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