国民生活センターによると、株式会社香塾が販売していたジャムー・ティー・ブラックにステロイド(デキサメタゾン)が含有されていたという。
株式会社香塾はサイトトップページを更新し、
弊社は、JAMU SEHAT BUGAR社より「ジャムー・ティー・ブラック」の原材料(ウコン根茎、生姜、ケンぺリア根茎、ブルマニ皮、ガランガル、アラビカコーヒー)を輸入し、包装して販売しているだけですので、弊社内においてデキサメタゾンが混入することは考えられません。
香塾?香塾堂?
さてこの問題でややこしいのが、「ジャムー・ティー・ブラック」という名前で売っていた販売会社が複数あること。
国民生活センターに取り上げられたのは株式会社香塾(大阪市都島区)。
銀色のパッケージが特徴。
黒いパッケージのものは香塾堂株式会社(大阪市北区)が生産元だそう。これは香塾(大阪市都島区高倉町)などが販売しており、商品を検査に回しているそう。
名前が似通っている上にみんな大阪に所在地があるのだ。香塾堂株式会社のサイトによると現地買い付けとのことなので、製造・輸入ルートは異なりそうではある。
また、麻布島崎屋というところでもジャムーティーを扱っており、こちらも現在製品を分析に回しているとのこと。麻布島崎屋に関しては、2022年まで香塾堂のものを取り扱っていたが、今は切り替えているらしい。
JAMU SEHAT BUGAR?
次によく分からないのが、株式会社香塾の言う「JAMU SEHAT BUGAR社」とは何かということ。
JAMU SEHAT BUGARで検索しても、「JAMU SEHAT BUGAR」という商品しかヒットしない。
Twitterを見るとjamusehatbugar.comというサイトにも同名の商品が販売されており、このサイトによると製造元はCV Wahyu Illahi Sumenep Maduraというところらしい。
また、食品医薬品監督庁 (BPOM) から登録番号 TR 023 214 931 で販売許可を得ているとしている。(商品画像を見るとパッケージにも記載あり)
ただ、上記サイトが今回株式会社香塾の輸入元かはわからない。
厚労省のサイトをJAMU SEHAT BUGARの名前で検索すると2020年12月の食品衛生法違反事例が引っかかる(大腸菌の検出)。なので少なくとも、JAMU SEHAT BUGARの名前で日本に向けて輸出したのは間違いないだろう。
そもそもジャムーってなに
そもそも、ジャムー(ジャムウ)というのはインドネシアの伝統的な薬用植物の調合品のこと。
自分で作ったり、ジャムウ・ゲンドン(籠を背負ったり自転車などでジャムウを売りに来る人)から買ったり、最近ではジャムウ専門のカフェもあるという。
下記の本が日本語で読めるジャムウの紹介本(この騒動の文脈で紹介するのは忍びないが…)。
インドネシア国立医薬品食品管理庁のサイトを見ると、Jamuに薬用化学物質(BKO)を含んでいる場合があるという。この場合にはBPOMの配布許可証を持っていないとされる。(この件とは関係ないが、違法操業の取り締まりも度々行われているようで、ジャムウの市場規模の大きいのかなと想像する)
また、 MANAKAH YANG AMAN – OBAT ATAU OBAT TRADISONAL?という記事ではジャムウについてこう書かれている。
Jamu merupakan jenis obat tradisional yang paling sederhana, dimana pembuktian ilimiah atas khasiat dan keamanannya hanya didasarkan pada bukti secara empiris atau turun temurun. Meskipun bahan baku jamu tidak diwajibkan untuk dilakukan standardisasi namun tetap harus memenuhi persyaratan mutu yang ditetapkan (Farmakope atau Peraturan Kepala Badan). Klaim penggunaan pada jamu harus diawali dengan kata-kata “secara tradisional digunakan untuk …….”. Jamu sama sekali tidak boleh mencantumkan klaim khasiat yang menggunakan istilah farmakologi atau medis.
DeepL翻訳ではこうなる。
ジャムウは最もシンプルなタイプの伝統医学であり、その有効性と安全性の科学的証明は経験則や遺伝的証拠にのみ基づいています。ハーブの原材料は標準化する必要はありませんが、それでも確立された品質要件(薬局方または庁長規定)を満たしていなければなりません。ジャムウの使用法の主張は、「伝統的に……のために使用される」という言葉で始めなければならない。ジャムウには、薬学的または医学的用語を使用した効能効果を記載してはならない。
薬学的または医学的用語を使用した効能効果を記載してはならない。これは日本国内でも健康食品は医薬品と誤認されるような効能効果を表示・広告することはできないと記されている。(特定保健用食品・栄養機能食品を除く)
とまあ、なんの取り留めもないが好奇心が刺激されたので、ジャムーティーに関連して色々調べてみた結果を書いてみた。調べていくうちにこの記事に入れるにはあまりにも関係ないことまで調べてしまったので、それは別記事にしたいと思う。
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