Webにデータを残すのは難しい

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Webにデータを残すのは難しい。
と書くとYahoo!ブログやインフォシークなどの大型無料サービスの終了が頭に浮かぶが、何もそれだけではない。

Image by 377053 from Pixabay

東洋経済に故人のブログやSNSをめぐる連載がある。

ネットで故人の声を聴け

この中の
41歳で余命知った肺癌医師が遺した死への記録
に、こういった記述がある。

SNSや無料ブログなら、運営元の大船に乗ることで誰にも気づかれないまま残っているというパターンはある。けれど、「肺癌医師のホームページ」は独自にドメイン(インターネットの住所)を取得して運営されている。誰かが引き続き管理していないと成り立たない。

これである。よく「ブログの始め方」を検索すると「無料サービスはいつサービス終了するかわからない」という旨の記述があるが、実は逆になる可能性も大いにある。

ブログがネットの主流から外れて久しく、サービスを終了するものももちろん多い。
だが、続いているブログサービスもまた、多いのだ。(今の所は、と言っておくが)
はてなブログ、アメブロ、livedoorブログ、FC2ブログ…とパッと思いつくだけでこれだけある。noteなどはこの中では新興サービスに分類されるだろう。
特にアメブロは闘病ブログが多い印象があり、書き手が亡くなったと思われる後も今も残っているブログが散見される。

独自ドメイン+サーバー取得でブログを運営している場合、数年ごとにドメイン代とサーバー代の支払いが発生する。支払わなければ当然、そのサイトやブログは消える。
私が現在使っているムームードメインでは最長10年、サーバーであるロリポップは最大3年までの一括支払いに対応している。逆に言えば、私がこのブログを残して死んだとして、最大3年しかこのブログはWebに残らない。
自動更新の設定も可能だが、それで支払い続けられるのは生きてる間のみではないだろうか。
また、この金銭負担は「ブログを書きたい」「残しておきたい」と本人が思えるからできるもので、辞めたいと思ったらスッパリ支払いをやめてしまうだろう。同じ「書くのを辞める」でも、無料ブログなら長年放置が可能なのに対し、独自ドメイン+サーバー取得だと延々と金銭負担が発生する。
正直に言って、独自ドメイン+サーバー運営のブログの方が、数年のうちにアクセス出来なくなるブログが多い。ブックマークしていたものを巡回しているとそう感じる。

無料サービスはいつ終了するかわからない(とはいえ大手は今も長く残っている)、独自ドメイン+サーバー運営はうっかりするとすぐ消える。
では、何が何でも「自分の書いたものをWeb上に残したい」場合どうするか?
答えの一つはミラーリング化、分散化かもしれない。
つまり、無料サービスと独自ドメイン+サーバー運営を同時に行うのである。
留意しておくべきは、おそらくこれはGoogle側の評価は最悪であろうということ。サイトのミラーはともすれば剽窃と見做され、検索結果から除外される(一時期の「同じ内容が検索結果上位にずらずらと並んでいた時期」を思えば妥当な措置だが…)。両方ともが除外される可能性もある。「Googleの検索結果に載らなければネットに存在しているか分からない」という状況下では、これは致命的になる可能性がある。(Twitterなどの他のSNSにURLを載せておくというのも一つの手だと思う)

同じ内容を複数のサイトに転載するのは手間でもある。
手軽なのは、無料ブログを選ぶ際には記事の「エクスポート機能」がついているものを選ぶことだろうか。生きている間に無料サービスが終了することがあれば、別のサービスに移行することが容易になるからだ。
移行したいと思うほどの情熱をその時まで持ち続けていられるかは分からないが、少なくともミラーリングよりは手軽である。
この方法だと自分が死んだ後にサービス終了した場合はそのサービス諸共消えることになる。これはYahoo!ブログやジオシティーズ終了時に多くのブログ、サイトが辿った道でもある。

訪問者側の場合、好きなブログやサイトはブックマークに入れておき、最低でもサイトトップのURLが分かる状態にしておいた方がいい。なぜなら、URLさえ分かればインターネットアーカイブでありし日のサイトに訪問できる確率が高くなるからだ。
URLが分からなければ、永遠に訪問できなくなるだろう。私もそれで訪問できなくなり後悔しているサイトが複数ある。

(追記)この文章を書いていたのは6月下旬だった(その後下書きに眠っていた)のだが、ウェブリブログも来年の1月31日昼頃をもってサービスを終了するとのこと。今年の1月18日以降に更新をしていなければ、既に閲覧できない状態になっているそう。

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雑記
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