ЗА ДЕТЕЙ
米、ロシア軍が短距離弾道ミサイル使用と確信 鉄道駅攻撃で=高官 https://t.co/Eahgbii4dz
— ロイター (@ReutersJapan) April 8, 2022
8日早朝、ウクライナ東部にあるクラマトルスクの駅……戦争から逃れるために集まっていた人が大勢いる駅にミサイル攻撃があり、少なくとも50人の民間人の犠牲者が出ました。
そして、そのミサイルに書かれていた文字がいったいどういう意味で書いているのかと個人的にも疑問でした。(何せまだ格変化もろくに学んでいないので……)
ロシア軍はシリアで使ったミサイルに「ЗА ПАРИЖ」と書いた。これは、「パリの大規模テロへの報復をロシアがやっている」ことを示すためのデモンストレーション。
今回の「ЗА ДЕТЕЙ」は、ウクライナ軍の犠牲になったドンバスの子供たちの復讐、という意味と取るのが自然かと。https://t.co/BWHw4StTjm pic.twitter.com/qNnUN0xC0T— Akiyoshi Komaki 駒木明義 (@akomaki) April 10, 2022
「ЗА ДЕТЕЙ」英訳すると「FOR CHILDREN」となってすわ「子供たちへ(贈る)」とも読んでしまいそうになるけれど、おそらく上記の解釈が正しそう。
なんでこんなに誤解されてるんだろう。отомстить за で、〜に対して復讐する。動詞とセットで覚えたい前置詞の用法。
Нет войне がなぜ与格なのか悩んでいたみなさんも、これがどんな動詞にくっつくかを想定するとすっとわかったりするので、動詞の勉強おすすめです。(来週から授業のモード) https://t.co/N02n8jtWJR— Yoko Ueda (@yuvmsk) April 9, 2022
ロシア語辞書 (tufs.ac.jp)
отплатить 復讐する
(2) [動詞(完了体)] +за+対格復讐する
ロシア語辞書 (tufs.ac.jp)
この用法で動詞が省略されている、という解説ですね。
подарить 贈る
ちなみに「贈る」だとそのまま与格や対格をつけるだけみたい。英語だとpresent for youみたいにforを使うイメージだけど、ロシア語だと使わないのか。ふむふむ。
……こういうことをちゃんと読めるようにするのも語学力なんだなとは思うけど、キツいよね。戦争の話題……。
しかしこの攻撃、ロシア側は現在「ウクライナ側の攻撃」と主張しているようで?(ロシアの責任転嫁にほころび=犠牲判明で「ウクライナの仕業」 | 乗りものニュース (trafficnews.jp))、状況的にも疑わしいけど、ミサイルに書かれていた言葉の解釈が上記の通りならますます意味が通らなくなるような。
нет войне
戦争開始初期に話題になった「нет войне」(戦争反対)についてもメモ。(本当は記事を分けた方がいいかもだけど、時すでにお寿司な感じがするので)
「〜に対して」という与格の一般的用法から動詞が落ちたものではないかと思います。 もとは Скажи нет войне! なんじゃないですかね。
— Yoko Ueda (@yuvmsk) February 25, 2022
動詞と一緒に覚えるとわかりやすい、というのは確かに。
なぜ与格なのか、と単独で考えるのはこの一連のスレッドもわかりやすいかも(実際はもっと長いのでtwitter上で確認してください)。
<<нет войны>>
これは”no war”でも”there is no war”
もっと言うならロシア語の<<нет>>は「存在しない」(”be not”)という述語の意味を持ちますので”the war IS NOT”なんていい方もできるかもしれません。
つまり「戦争はない」のです。
おかしいですね。私は「戦争反対」と言いたかった筈です
↓— 旱川 (@bluescreenshott) March 18, 2022
“no war”を露訳するとき
「戦争にNO」 と言いたいわけです。
英語であれば “NO to the war”となります。日本語であれば「戦争に」の「に」
英語であれば”to the war”の”to”
さきの<<нет войны>>に足りてない要素はこの「に」となります。
これを反映させてロシア語で”No war”と言うと
↓— 旱川 (@bluescreenshott) March 18, 2022
<<нет войне>>
войнеが与格だった理由は「戦争にニェット」ということだった訳です。↓おまけ
— 旱川 (@bluescreenshott) March 18, 2022
英語だと「No war!」だけで戦争に対して反対するという意味で使われるけど、格変化のある言語では格によって違う意味に……。この辺がまだ自動翻訳では一筋縄ではいかないところですね。
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