先日テレビで「ガメラ 大怪獣空中決戦」をやっていたので久しぶりに見ていた(ブログになかなか書けずに、だいぶ前の話になってしまった……)。
ガメラ平成三部作の中では一番好きな作品なので、何度でも見てしまう。ギャオスが人々を食らう描写が間接的ながらエグく、恐ろしいのが印象的。
さて、作中でガメラに関する碑文が出てくるのだが、劇中では
碑文の文字はピレネーの古代文字に似ている
エトルリア辺りに起源を持つルーン文字の亜種じゃないか
比較できる文字があったので解読は簡単だった
とあり、ふとこれが何語なのか(造語なのかも含めて)気になった。
エトルリア語?という類推からスタート
エトルリア辺りに起源を持つ……と言うからには、エトルリア語をモチーフにしているのだろうか。エトルリア語というのは実在しており、インド・ヨーロッパ語族が流入する前の言語だそう。しかしエトルリア語は碑文に書かれているものしか見つかっておらず、詳細な部分は分かっていないらしい(Wikipedia)。こんな状態で作中に出せる文章を作れるのだろうか。他の言語からも参考にして文章を組み立てたのだろうか。
エトルリア文字というものもあり、これは西方ギリシャ語から派生したものだそう。(Wikipedia)
しかし、Wikipediaのエトルリア文字の項目を見て疑問に思った。作中で碑文をアルファベットに転記したものも出てくるが、以下のような文である。
Gamera hin siðasta von trúar vaggunni tímans
最後の希望ガメラ 時の揺籃に託すSkuggarnir bölvanna vakna með Gjaos
災いの影 ギャオスとともに目覚めん
エトルリア文字の翻字には使われていない文字(ð、ú、í、ö)があるのだ。
うーん?と思いながら作中の文章の中で格変化していなさそうな(エトルリア語に格変化があるのかは知らないが)短い単語をWiktionaryで調べてみた。
まずhinを見てみる。短い単語なので英語やらガリフナ語?やら色々出てくる。うーん。特定しきれない。
次にvonを見てみる。ドイツ語の前置詞として有名だが、他の言語ではどうだろう……と眺めていると、Icelandicでhopeという意味だと書かれていた。hope。希望。作中の碑文に出てくるものである。Icelandic……え?アイスランド語?でもそう言われれば、単語の綴りの雰囲気がアイスランド語のように見える気がしてくる。(ggやnnの連続など)
作中で「ピレネー」とか「エトルリア語」とか言われていたのでちょっと想定していた地理とは違う場所の言語だったが、アイスランド語だと仮定して他の言語も(Wiktionary)で調べてみることにした。
アイスランド語?
先ほどのhinに立ち返ると、アイスランド語でthat(あれ)の意味 またはtheだそう。
「siðasta von」をGoogle翻訳にかけてみると「最後の望み」となる。ふむ。
と、ここで気づいてしまった。「実在する言語なら、全文をGoogle翻訳にかけてしまえば何語かわかるのでは……?」と。Google翻訳には「言語を検出する」機能があるのである。
Google翻訳の結果
翻訳にかけた結果、やはり「アイスランド語」と判定された。
ちなみに日本語訳はこう訳出された。
ガメラ最後の希望 時のゆりかごを信じる
ギャオスと共に目覚める呪いの影
おお……!きちんと作中の文章のようになっている!
とまあ、結果的にはGoogle翻訳にかければ秒で答えが出た話ではあるが、「どの言語なのか?」を類推したり探したりするのは楽しかった(ほとんどWiktionary頼みだったが)。
しかしなぜアイスランド語なのだろう?次の疑問ができてしまった。ガメラに詳しい方、もしご存じであればご教授願いたい。
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